ネットワークプロセッサ


■ネットワークプロセッサ
 “プログラマブルな ASIC”と捉えればいい.
 ルータやスイッチは,現在まで専用の ASIC を起こすことで処理を高速化し
 てきた.しかしこれでは,プロトコルの仕様変更や,処理の多様化に追いつ
 いていけない.
 そこで,パケットのフレーミングやキューイングの処理を専用に行うネット
 ワークプロセッサを採用する構成が,主流となりつつある.回線速度 10G〜
 40Gbps まで対応できる.

●全体
・コプロやツールを含め,展示多い.

☆「Network Processing Forum」自身が出展したためか?
 そのフォーラムの会員のうち,30社ほどが出展.
 NP,コプロ,ツールと,アライアンス=相性があるので面白い/注意.

●ネットワークプロセッサ
・シェア
 1. Intel  (処理速度遅いが)
 2. VITESSE
 3. AMCC  (MMC 社と合併)
 複数のブースでのインタビュー結果から.

・Alcatel 7770 は IBM 社の PowerNP NP4GS3 を使っている.
 (IBM ブースにボードの展示あり.)

・40Gbps まで伸ばせるものも.PixelFusion,Terago ほか.

●コプロセッサ,CAM(Content Addressable Memory)
・プラットフォームを選ぶ(例:上記3社+モトローラ+...)

・分類すると下記のとおりだが,「クラシフィケーション」がほとんど:
 - クラシフィケーション
  パケットヘッダの情報に基づいてパケットを識別すること.
  たとえば QoS 機能を提供.ほとんどのコプロ,CAMはこの役目.

  EZCHIP,Kawasaki,NetLogic,SiberCore,Solidum などなど.
  SiberCore は NEC が使う.
  Kawasaki は低電力消費を訴求.

 - キューイング(トラヒックマネジメント)
  クラシフィケーションの結果に基づいて,
  スケジューリングとキューマネジメントを行うこと.
  (キューマネジメント:厳密にはスケジューリングとは別
             の機能で,RED などのキュー長を管理すること.)

  Acron など.

 - モディフィケーション
  アドレス変換,暗号化などを提供.ほとんどない.
  ZettaCom など.

 - ネットワークデータベース
  Lara.

 - ルーティング
  MUSIC(国内代理店:マイクロテック).

・MAC,PHY などのチップを出展しているベンダも多い.
 Sistlic(MAC),Mathstar(PHY).

●ツール
・Teja
 Intel 用の開発ツール.
 グラフィカルにロジックが設計できて,落とし込める.

・LVL7
 ソースコード屋.

☆ネットワークプロセッサの売り方としては
  ・開発期間の短縮化(対 ASIC で半年短縮)
  ・仕様が確定しない場合の逃げの手段の確保(ロジックが追々変更できる)
 ということのよう.
 LAN の世界は勧告がころころ変わるので,従来の開発手法(スパン)で
 はリスクが大きすぎるため,リスク回避(ようは開発期間の短縮)のた
 めに採用される.

 「プログラマブルな ASIC」「板を起こし直さなくてもジャンパが張れる」
 と思えば良いか?

Roy, Jan. 29, 2003