Wikipediaの誤り [JJ1WTL]

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誤解の典型例として

かつてのWikipediaの誤りを,世間一般の典型的な誤解とみなして詳解します.
2007年6月22日 (金) 02:21版を参照しています.
...あ,いまは修正済みです.

Wikipediaの誤り
記述 (2007年6月22日 (金) 02:21版)指摘

アマチュア局

一般的には、アルファベットまたは数字2文字+管轄の総合通信局をあらわす数字“0”〜“9”+アルファベット2〜3文字である。 例:JA1GY、8J1RL、JR3AAAなど
「字」と「文字」の違いに注意!

ITUの表記法では,「文字」とはアルファベットだけを意味し,以下の包含関係があります:
「字 = 文字 + 数字」 (character = letter + digit).

したがいここでは,以下とすべきです:
× 「アルファベットまたは数字2文字
○ 「アルファベットまたは数字2
先頭のアルファベットまたは数字2文字は、日本では”JA”〜“JS”、“7J”〜“7N”、“8J”〜“8N”が1947年〜1959年に割り当てられた。 厳密には...
1947年に “JA”〜“JS”へ『削減』.
1958年に “7J”,“8J”が暫定割当.
1959年に “7J”〜“7N”,“8J”〜“8N”が正式割当.

前出のとおり,
× 「アルファベットまたは数字2文字
○ 「アルファベットまたは数字2
7Jは、当初、在日外国人局に割り当てられていた(現在は、新規に免許申請する場合、在日外国人であっても日本人と同様のコールサインが割り当てられる)。 「当初」というなら,7J1RL沖ノ鳥島ペディションのほうが先です.1976年です.
在日外国人に使われたのは,そのあとの1985〜1999年でした.
8で始まるものは日本アマチュア無線連盟直轄の特別局に割り当てられる。 「8で始まるもの」には,特別局――正しくは「記念局」,後述――のほかに,以下もあります:
  • 極地の局 (8J1RLなど)
  • アマチュア衛星 (8J1JASなど)
  • ARISSスクールコンタクトのための臨時局 (8N3ISSなど)
  • 阪神・淡路大震災の災害復旧支援用の局 (8J3AAA〜)

記念局が開設できるのは,日本アマチュア無線連盟(JARL)だけではありません.
『アマチュア業務の健全な普及発展を図ることを目的とする社団であって行事等に密接な関係があるもの』ならば,開設できます.
JARLによるものには,「特別局」のほかに「特別記念局」があり,総称としては「記念局」と表記すべきです.つまり,包含関係は以下となります:
「記念局 = 特別局 + 特別記念局」.

実際,JARL Webのトップページにはなんて書かれていますか?...ほら,「記念局」となっていますよね.
JDは小笠原諸島及び南鳥島のみJD1として割り当てられている(本土より200km以上離れた離島は別地域とする規定のため、沖ノ鳥島に第三のコードである7Jが割り当てられたことがあったが、“小笠原の一部”とする異議が認められ消滅した)。 あのさ,「本土より200km以上離れた離島は別地域とする規定」って,どこにあるのよ(怒).
(1)DXCCの海による隔離条件は,当時225マイル,現在350km.
「孫」カントリー(現・エンティティー)なら,順に500マイル・800km.
...どこをどう叩けば『200km』が出てくるんだ???
(2)本土(本州)から計るのではありません.
「JAに属する最南端の孀婦岩」と,
「JD1に属する最北端の一の岩」
との距離で規定することになります.
(3)その区間は177マイルしかありません.
すると,アメリカからの小笠原の返還に伴い,カントリーが消滅してしまいます.
そこで,なんとか別カントリーとして維持するために,わざわざ特別なプリフィックスを割り当ててもらったのです.

「第三のコード」の「コード」ってなによ...「プリフィックス」かな.
また「7J」ではなく「7J1」とすべきでしょう.
「“小笠原の一部”とする異議が認められ」と言い切れないのです.
正しくは,理由の説明はなく,削除されています.
JBは電気通信事業用に割り当てられたためアマチュア局では使用されていない。 正しくは,「JBはKDD(現・KDDI)の国際実験局に JB+数字+3文字以下 の形式で割り当てられていたため、アマチュア局では使用されていない。」.

原文のままでは,たとえば,放送局に割り当てられている「JO」は,アマチュアでは使えないことになってしまいます.
このように,「割り当てブロック」だけではなく,「形式」も意識して論じなければなりません.
おなじ「JO」でも,「放送局は4文字」,「アマチュアはJO+数字+3文字」と形式が異なっていますから,棲み分けできるのです.
JCで始まる呼出符号は、かつてプロアマ問わず割り当て保留(銚子無線電報局のJCSなど一部の業務用無線局では例外的に使用)とされていたため使用されず、現在もアマチュア局では使用されていない。 厳密には,
△ 「一部の業務用無線局では例外的に使用」
○ 「すでにJCを使っている業務用無線局は例外として継続使用」.
1912年から大国には1文字が割り当てられていた(日本は“J”)。  
1959年から戦勝国には引き続き1文字が割り当てられたが、ドイツと日本は敗戦国として現在の2文字に変更された(イタリアが枢軸側だったにも拘らず“I”一文字を許されたのは、ダンバートン=オークス会議で切った期限通りに降伏させた、米英の差し金だったという。無線通信の先駆者となったイタリア人のマルコーニに敬意を表したものという説もある。)。 1959年のジュネーブ会議の前に,1947年のアトランティックシティ会議があります.
「戦勝国には引き続き1文字が割り当てられた」と言うのなら,終戦後初のアトランティックシティ会議を参照すべきです.
教科書には出てこない話ですが,イタリアは降伏後,連合国側に寝返っています.
そうです,結果として戦勝国になっているのです.
時間軸上で辿ると,下表のとおりです:
1943(S18).9.8イタリア無条件降伏・連合軍と休戦
1943(S18).9.23「イタリア社会共和国」樹立(パドリオ政権)
1943(S18).10.13ドイツに宣戦布告
1945(S20).7.14日本に宣戦布告

「ダンバートン=オークス」会議が開かれたのは「1944(S19)年8月21日〜10月7日」です.
そう,イタリアが降伏したあとです!!
なお,1946(S21)年の『モスクワ国際電気通信予備会議』が呼出符字列の召し上げ対象としたのは,ドイツ(Dほか)と日本(Jほか)だけです.
Jのうち日本に割り当てられた残りはJT〜JVがモンゴル、JW〜JXがノルウェー(現在はJT〜JVがモンゴル、JW〜JXがノルウェー、JYがヨルダン、JZがニューギニア)に、DのそれはDN〜DQがコンゴ、DR〜DTが旧ソ連・ベラルーシ、DU〜DZがフィリピン(現在はDS〜DTが韓国、DU〜DZがフィリピン)に割り当てられている。 厳密には,日本は1949年1月1日のアトランティックシティ会議の結果の発効前までは,Jに加え,EK,EM-EO,ER,EU-EY,HG,HL-HMも所有していました.
この最初の数字で終わるアルファベットまたは数字3文字の部分を「プリフィックス」と呼ぶ。 × アルファベットまたは数字3文字
○ アルファベットまたは数字3
プリフィックスにより、アマチュア局の国籍、地域、資格などが解る。  
ただし、日本の場合は、資格とプリフィックスの関連性はない。  
また、海外には、2文字または4文字のプリフィックスも存在する。 × 2文字または4文字
○ 2または4
後のアルファベット2〜3文字は「サフィックス」と呼ばれる。 WRC-03以降,一般の局には「4字」まで認められるようになりました.
ただし,日本では該当はありません.

また「数字」を使ってもいいことになっています.
ただし,末尾はアルファベットでなければなりません.
おなじく特別催事の場合は,長さは無制限となりました.
ただし,日本では独自に5字で歯止めをしています.
戦後再開されたアマチュア無線初期(1952年前後)に開局した個人局では、2文字のサフィックスが割り振られたが、2文字のサフィックスが払底すると、3文字のサフィックスに移行している。 くわえて,返還前から開局していた沖縄の局には,2文字のサフィックスが割り当てられています.
細かな話ですが,当初信越で使われたJA1WA〜ZZは,のちに関東で「3文字突入後に」再割り当てされています.
個人局における2文字のサフィックスは、プリフィックスがJAまたはJR6(沖縄)に限られる。 厳密に言いますと,8J1もあります.
初期の南極の8J1AA〜ADが該当します.
これらは個人局です...といいますか,このころは社団局の制度すらありませんでした.
“Y”,“Z”で始まる3文字のサフィックスのものは社団局(クラブ局)に割り当てられる。 そうとは言い切れません.「レピータ」と「そのリモコン」もあります.後出.
8J・8Nで始まる記念局・臨時局の場合もあります(ま,社団局といえますけど).
ただし、Q符号やSOSなどの、各種の通信符号にも使われる事がある3文字は原則として欠番となっている。 厳密には...「QNH」など,発給されるQ符号もありますよね.
これは日本でブロックされている範囲がQRA〜QTZだけのためです.
それ以外に発給されないのは,OSO,SOS,TTT,XXX.
「原則として」といいますか,いまは例外なく発給停止です.
ただし,事故としての誤発給(7L4TTT→変更・7L4WWW)もありましたし;黎明期に発給されたものは,そのまま生きています(例:JA9TTT).
JR+数字+2文字サフィックス、およびJP+数字+“Y”で始まる3文字サフィックスは社団局ではなく中継局(リピータ局)に割り当てられる。 「JR+数字+2文字サフィックス」について,
(1) JR6AA〜MEは,レピータ局ではなく沖縄の個人局に割り当てられています.
(2) JR6RLは,沖縄のJARL地方局に割り当てられています.
触れられていませんが,
(1) 「JP+数字+“Z”で始まる3文字サフィックス」は,レピータ局のリモコンに割り当てられています.
(2) 「JQ6+数字+“Y”で始まる3文字サフィックス」は,沖縄のレピータに割り当てられています(まだ発給がそこまで至っていませんが).
また、海外では、サフィックスの文字数、最初の文字と資格を関連づけているケースが多い。  
しかし日本ではプリフィックス同様、サフィックスも資格と関連性がない。  
なお、イベントに関連した特別な記念局では、サフィックスが数字だけ(例:8J2000/8M2000/8N2000(2000年記念局))、サフィックスがアルファベット1文字(例:8J1C/8M1C/8N1C/8J2C/8J3C/8N3C/8J6C/8J7C/8J8C/8J0C(2002年FIFAワールドカップ記念局)、8J1A(ハムフェア(アマチュア無線フェスティバル)特別記念局))、プリフィックスの数字部分が2文字、もしくは、サフィックスが数字1文字+アルファベット3文字(8J90XPO(国際花と緑の博覧会特別記念局))の割り当ても存在する。 「特別な記念局」...ちょっと冗長.
× プリフィックスの数字部分が2文字
△ プリフィックスの数字部分が2
○ プリフィックスの数字部分が2数字

× サフィックスが数字1文字+アルファベット3文字
△ サフィックスが数字1+アルファベット3文字
○ サフィックスが数字1数字+アルファベット3文字

...ともあれ,いまならともかく,1990年当時であれば,
プリフィクスの数字部分が2数字 + サフィックスが3文字
と解釈するのが自然です.「3 の代わりに 90」ということです.
さらに、2004年からは、サフィックス4文字も記念局に割り当てられるようになった(例:8J4ARDF)。 × 「4文字」
○ 「1〜5字(末尾はアルファベット)」

2004年(6月24日)からです.
それまでは3文字だけでした.
ただし例外はあり...たとえば2002年の8J1Cがまさにそれです.
また、先年のWRC会議で記念局に対しては5文字のサフィックスも割り当てられるようになった。(例:8N1NSSAIなど)。 WRC-03でのRRの改正は「特別催事の場合には4字を越えるサフィックスも認める」というものです.
つまり国際的には無制限なのです.
それを5字に留めているのは,日本独自の制限です.
さらに、日本の南極越冬隊には、8J1のサフィックスが2文字が割り当てられている(例:8J1RL(昭和基地)/8J1RM(みずほ基地)/8J1RF等)。 厳密には「南極越冬隊」ではありませんね.
古くは観測隊員の個人局,いまでは「JARL南極局」に割り当てられています.
関東総合通信局管内ではコールサインが払底し、ついに無線局免許状の未更新(更新手続き失念や開設者の物故など)による期限切れのコールサイン(1回目:JH1***から、7K〜7Nの割り当てをおいて、2回目:JA1***から)が再割り当てされるようになった。 かんべんしてくれ(涙).
×× 「1回目:JH1***から」
○ 「1回目:JE1***」から(純アルファベット順)
次いで、近畿、東海、九州総合通信局管内(JA6から)でも同様の措置が取られている。  
コールサインの再割り当てが行われていない通信局管内のプリフィックスは、JA→JH→JR→JE→JF→JG→JI→JJ→JK→JL→JM→JN→JO→JP→JQ→JSの順に発行されている。 「通信局」は「総合通信局」としたほうがベター.
JHとJRが先行した経緯はHam、Radioの頭文字を取ったためといわれている。 「実験局で使われていないもの」「モールスで打ちやすいもの」というのが,公式見解.
プリフィックスの最後の数字は、本来は管轄の総合通信局を表わすものだが、関東ではアマチュア無線局の数が多く、それでも割り当てられるコールサインが枯渇したため、現在では関東以外の総合通信局のもの(2〜4)も先頭が7K〜7Nで始まる場合に限り発行している。
  • 例:JK2ABCは東海管轄だが、7K2ABCは関東管轄である。
 
また、プリフィックスが7Jで始まる在日外国人のコールサインの場合、7Jの次の数字は管轄の総合通信局を表すが、7J1RLのみ在日外国人のコールサインではない(JARL局、沖ノ鳥島。存在当時はDXCC上別カントリー(当時)であったが、現在は消滅エンティティーである)。
  • 例:7K2ABCは関東総合通信局の管轄であるが、7J2ABCは東海総合通信局の管轄である。
 
管轄の総合通信局を表わす数字は以下のとおりである。
1 : 関東(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木、山梨)(1954年12月以前はJA1AA〜JA1VZ、JA1AAA〜JA1VZZが関東、JA1WA〜JA1ZZ、JA1WAA〜JA1XZZが信越。1954年12月以降は再割り当て)
2 : 東海(愛知、静岡、岐阜、三重)(1954年12月以前はJA2AA〜JA2VZが東海、JA2WA〜JA2ZZが北陸。1954年12月以降は再割り当て)
3 : 近畿(滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山)
4 : 中国(岡山、鳥取、広島、島根、山口)
5 : 四国(徳島、香川、高知、愛媛)
6 : 九州(福岡、佐賀、長崎、宮崎、大分、熊本、鹿児島、沖縄)(沖縄の割り当て枠は、一般的なアマチュア局の場合、JR6AA〜JR6NZ、JR6QUA〜JR6ZZZ、JS6AAA〜JS6ZZZ)
7 : 東北(青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島)
8 : 北海道
9 : 北陸(福井、石川、富山)(1954年12月以降。1954年12月以前のJA2WA〜JA2ZZは、JA9AA〜JA9DZに移行)
0 (Ø): 信越(新潟、長野)(0ゼロとOオーを区別するために、斜線を入れる習慣がある)(1954年12月以降。1954年12月以前のJA1WA〜JA1ZZは、JA0AA〜JA0DZに、JA1WAA〜JA1XZZはJA0E*以降に移行)
かつての信越への3文字サフィックスの割り当て範囲は,以下のとおりです:
× 「JA1WAA〜JA1XZZ」
○ 「JA1WAA〜JA1ZZZ」

なぜならば,「社団局」が制度化されたのは1959(S34)年12月25日からで,それまではYAA〜ZZZの除外規定がありませんでした.
割り当て「枠」を語るのであれば,「JA2WAA〜JA2ZZZが北陸」である点にも触れるべきでしょう.
常置場所以外から運用する場合には、識別信号の末尾に/(斜線、日本では『ポータブル』、外国では『ストローク』と発音)と管轄の総合通信局を表す数字を付ける(強制でなく慣習なので注意、付けなくても違反にならない)。
  • 例: JK2ABC/1は、常置場所は東海管轄、実際の運用地点は関東管轄である。
「慣習」でも十分ですが,
「慣習に基づいたJARLの推奨」と言ってもいいでしょう.

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Oct. 25, 2009, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL