テレビ・映画でのアマチュア無線登場シーン

Return to Untold Facts

ここではつぎの8作品を扱っています:

  1. 『私をスキーに連れてって』
  2. 『復活の日』
  3. 『植村直己物語』
  4. 『ミラーマン』
  5. 『帰ってきたウルトラマン』
  6. 『西部警察』
  7. 『ウルトラマンメビウス』
  8. 『スカイ・オブ・ラブ(愛,断了線)』

このほかにも同様趣旨のリソースがありますので,併せてご参照ください.たとえば...


『私をスキーに連れてって』のアマチュア無線登場シーン  [JA1NZN, JJ1WTL]

スキー場でのハンディ機の使用を定着させた映画「私をスキーに連れてって」(1987年8月公開).その作品中でのアマチュア無線のシーンを解析します. タイムカウンタはDVD――PCBG-50461――のものです.

役名キャストコール
サイン
出現タイムカウンタ

5m
04s

11m
22s
1h
03m
07s
1h
10m
21s
1h
23m
01s
1h
33m
32s
矢野文男三上博史JM1OTQ呼出  無応答応答 
泉 和彦布施 博JH1TUR    呼出呼出
羽田ヒロコ高橋ひとみ   応答呼出 応答
小杉正男沖田浩之JO1MHN応答応答    
佐藤真理子原田貴和子PVD 呼出呼出   
  1. (5m04s)ロッジ手前 5km に迫ったJM1OTQモービルから,まもなく到着の連絡.
  2. (11m22s)真理子がレストランの座席を確保し,メニューを読み上げる.
  3. (1h03m07s)2台のセリカGT-FOURの間で,雪上レースに際して「凍ってるね」と路面状態を確認.
  4. (1h10m21s)万座までSALLOTを届けなければならない――と矢野に伝えようとするが,山向こうにいるらしく,応答なし.
  5. (1h23m01s)ツアーコースを外れビバークの準備に入った矢野と池上優(原田知世)の所に,泉・小杉が背負い式ライトとともに来援.
  6. (1h33m32s)ステージ上のヒロコに泉が「無理しやがって!」と呼びかける.
    こののち,矢野と優がステージに上げられ,チョコレートを手渡してTHE END.

で,「ほんとうの持ち主」は以下のとおりです:

じつはこれら,ホイチョイ・プロダクションのメンバのコールサインなのでした:

いちおう発給時期を検証しておきますと...

JM1OTQは1980年.
設定の1988年からすると,8年前に開局していることになる.
つまり劇中の「矢野」の高校卒業の頃に相当.

JH1TURは1968〜9年.
これでは劇中の「泉」は小学生になる前になってしまう.
劇中のコールサインは再発給分(1987年)とみるのが妥当.
しかし,「ほんとうのJH1TUR」は初代・芹沢OMが保持しており,再発給はされていません.

JO1MHNは1982年.
劇中の「小杉」の二十歳前後か.


『復活の日』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

ウィルスのために南極を除いて人類が絶滅する映画「復活の日」.そのアマチュア無線のシーンを解析します. 露出度は結構高いです. なんといっても助監督がJA3CUK藤山顕一郎OM,オペレータの一人がW2SRM. 自然な演技に好感が持てます. 邦画では前項の『私をスキーに連れてって』と,この『復活の日』がイチオシです. 双方ともアマチュア無線がないとストーリーが進行しません.

  1. (27m)VK0CC8J1RLを呼んでくる.
    VK0CCは隣接モーソン基地(オーストラリア)の局で,リグはTS-180S,オペレータはエイハブ(キャストはW2SRM ウィリアム・ロス).
    一方の8J1RLはTS-820(JF1ZWUのもの)を使用.
    「今朝ウガンダの医師と交信したが...」といった内容.
    以上,裏話の参考:CQ誌1980年9月号 pp.128-129.
    CQ誌の記事はリグの出所を「JF1ZWV野生号三世基地局」としているが,1982年版コールブックで裏を取ると,JF1ZWUとなる(∵JF1ZWT野生号V無線クラブ,JF1ZWU太平洋古代文化の会,JF1ZWV稲城市役所).
  2. (42m)JGX(昭和基地)が日本を呼ぶ.この時点で交信が途絶えて20日目.
    JGXには無応答だが,そのとき脇のアマチュア無線機からトビー・アンダースンの声が聞こえてくる.
    サンタフェの牧場の5歳の子供.PTT操作が判らないらしく,8J1RLが呼びかけても一方送信のまま.
    最期は拳銃自殺してしまう(らしい).
  3. (57m)ワッチシーン.ノイズのみ.

小説版で登場する局は以下のとおり:

  1. JA7GK 昭和基地(pp.264-271, 278-279, 306-309)
    オペレータは辰野.
  2. エイハブ,オーストラリア隊モーソン基地(pp.264-267)
  3. フランコネイ,フランス隊デュアビル基地(pp.266-267)
  4. JA6YF 屋久島在住の(どうやら日本最後の)ハム(pp.268-270)
  5. WA5PS 医学者A・リンスキイ(pp.278-279, 333-334)
    エンドレステープにより,ウイルス解析のヒントを流す.
    それが南極を守る情報となり,結果,ウイルスには「リンスキイ・バクテリオウィルス」,その宿主となる球菌は「WA5PS」と名付けられた.
  6. トビー・アンダースン,サンタフェ在住(pp.306-309)
    小説版では,昭和基地からはあえて応答しない.南極が生き残っていると悟られないための電波管制による.保菌者が逃げ込んでくることを避けるため.
    トビーが自殺してしまう(らしい)のは,映画と同じ.

カッコ書きの「ページ」は,1998年発行のハルキ文庫版「復活の日」によります(ISBN4-89456-373-8).

実在のJA7GKは盛岡在住の藤田OM,同じくJA6YFは熊本在住の下川OM.WA5PSはこのWeb原稿執筆時点でアキ.

原作の小説は1964年8月に発表され,1969年が物語の舞台だった.
(昭和基地の8J1RLが開設されたのは1966年で,原作の発表よりもあと.
ただし原作の執筆時期までには,JA1JG, 8J1AA〜ADとして個人局が開設されていた.)
映画化は1980年.その際は物語の舞台は1982年とされた.


『植村直己物語』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

北極のJG1QFW 植村直己と,JM1SGM(初代)のXYLとの交信シーンがあります.

実在のコールサインが使われたのは,この映画と,前出『復活の日』の8J1RLだけです.
ただ,8J1RLはテレビ放映されたときには,“はちジェイいちアールエル”と読まれていて,当時話題になりました.映画は英語でした.


『ミラーマン』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

第36話『怪獣軍団ミラーマンを襲う ―五大怪獣激斗―!』の冒頭です.つぎのようなシーンがあります.

  1. 少年が父親のアマチュア無線機をいじる.
    「CQ,CQ,こちらシマダ無線局」といった送信内容.
  2. それがインベーダの無線と“波長”が偶然一致,混信を与える.
  3. 怒りさめやらぬインベーダは夜中その家に侵入.
    無線機を炎上.さらに消防へ通報しようとした電話機も炎上させた上,少年二人を拉致する.

周波数チェックは忘れずに.


『帰ってきたウルトラマン』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

第21話『怪獣チャンネル』で,ストーリー構成の重要な要素となっています.
成層圏に棲み,電波を食べる怪獣『ビーコン』の登場するエピソードです.
まず9分11秒〜51秒のシーン:

(とあるアマチュア局にて)
CQ fifteen, CQ fifteen, CQ fifteen, CQ fifteen.
あれ?
This is JA1JRQ, this is JA1JRQ.

(名古屋章のナレーションが入る)
午後2時,江戸川区に住む土建業・中村シンさんの長男,ツトムくん11歳がコールしていた, 21メガヘルツのハムの電波が,突然途絶えた.
ツトムくんは,やっと電話級の資格を取ったばかりで, きょうは,アメリカにいる親友のジョージくんと交信の約束をしていたのだ.

この日一日『ビーコン』との戦闘に手を焼き万策尽きたMATは, いよいよ午後5時すぎになって,東京中の電波の封鎖を決意.
唯一,南隊員の乗るMATアロー(2号)から電波を発信することで,ビーコンの海上への誘い出しを図ります.
ところが,ツトムくんが電波を出してしまいます.
が,さすがはウルトラマン.ちゃんとアマチュア無線にも造詣があります.
17分30〜18分11秒のシーン:

(MAT本部にて)
上野隊員:たいへんだ,江戸川区から別の電波が流れている!
郷隊員: なんだって?
上野隊員:21メガヘルツの高周波だ.
郷隊員: アマチュア無線だ!


(ツトムくんのシャックにて)
CQ fifteen, CQ fifteen.
あれ?また切れちゃった.

CQ fifteen, CQ fifteen.
こちらJA1JRQ,こちらJA1JRQ
CQ fifteen, CQ fifteen. どうぞ.

かくしてビーコンは江戸川区に出現.
このあとのMATビハイクル2台の間の無線のやりとりから,ツトムくんのQTHは「大和町2丁目」と判ります.
それでも怪獣が迫っていることも知らず,ツトムくんはジョージくんを呼び続けます.
が,さすがに夕方の21MHzではWとは...
もとへ,ビーコンが電波を吸収してしまうために,なかなかつながりません.
20分39〜50秒:

(ツトムくんのシャックにて)
ジョージくん,ジョージくん,聞こえますか?

ジョージくん
あっ!

となって,家(中村組)ごと怪獣に襲われてしまいますが,郷隊員が助け出します.
(無線をするときには周囲にも目を配りましょう.)

で,実在のJA1JRQは千葉市在住の市原OMです.

なお,このビーコンの退治を最後に翌22話冒頭にてMATの加藤隊長はMAT宇宙ステーションに転任. 後任にはニューヨークの本部から伊吹が新隊長として赴任してきます. 伊吹隊長になってからは,「隊長」であることを表すために,(1) コスチュームの胸の黒色のVラインが二重線となり, また,(2) 乗機となるMATアロー2号には,機首と垂直尾翼に黄色のラインが入りました.


『西部警察』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

PART-III 第46話『冬の軍団長』.

無線電話の傍受から,野上経済研究所による殺人計画を知ってしまった海賊放送局「東京ボヘミアン」のDJ:キダ・ショウイチ.
キダは録音テープと引き替えに現金500万円の入手を企てます.
しかし取引に失敗.
野上経済研究所はキダを殺し,さらにそのテープを求めてキダの仲間を探します.

...で,2局の風景が出てきます.(オープニングフィルム込みで20分を経過したあたり.)

1局目はで,このあとたまたま映り込んでいた住居表示から「...丁目7」と判りますがそこまで.

2局目はからカメラがパンして降りてくると,と局名票が映ります.
左側にウサギのイラスト;右側上段にJA1-MOE,同下段に「アマチュア無線局」と記されています.

コールブックによると,JA1MOEは中央区入船の高田OM.
しかし実際にOM宅でロケされたのかは,不明です.

物語は,このあと

団長:「どういうことなんだ?」
大将:「団長,やつらアマチュアの...なんていうか...放送局を次々と歩き回っているんです.」
団長:「アマチュア放送局?!」
大将:「ええ,キダ・ショウイチのことを探し回っているんです.」
団長:「よし判った.尾行を続けてくれ.」

と続いていきます.

このほか,同番組ではいろいろなアマチュア関連グッズが出てきます.
それらについてはJE4URN 作『西部警察で登場する無線機』
http://park1.wakwak.com/~je4urn/musen.htm
でご覧下さい.


『ウルトラマンメビウス』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

第45話『デスレムのたくらみ』,2007年2月24日放映.
アマチュア無線のおかげでストーリーが展開した例.

月からの帰還途中,人質にされてしまったGUYSの「フェニックスネスト」.
ウルトラマンメビウスとGUYSは,デスレム(策謀宇宙人)と闘うことができず,市民からの非難が高まります.

きくち電器商会――社長役はきくち英一,帰ってきたウルトラマンの中に入っていた人―― が,GUYSに理解を示す中,店内のリグからの音声が流れてきます.
番組開始から12'17"ころ:

「CQヨンサンマル CQヨンサンマル  こちらのコール ジュリエット・シアラー・ワン ジュリエット・シアラー・ワン」

人質となったGUYSのクルーは,地上の仲間に気を遣い,「俺たちは還れなくてもいいから」と,なんとか伝えようとします:

テッペイ 「ぼくらの気持ちを,ミライくん(=メビウス)に伝えましょう」
リュウ  「そんなこと,できるのか?」
テッペイ 「基地との回線は死んでいますが,
      あらゆる周波数帯の電波を発信すれば,
      どこかで誰かが拾って,
      基地に知らせてくれるかもしれない.
      それが...ぼくの最後の仕事です.」

きくち電器商会にもデスレムが迫り,まさに逃げだそうとしているとき, リグにこの呼びかけが飛び込んできます.
21'28"ころのシーン.

テッペイ「通信を....している方,応答願います.
    こちらフェニックスネス...です.
    受信できる方は...」
社長  「フェニックスネス,サムシング,こちらのコール,JK1」

社長は,テレビ局のKCBに「フェニックスネストからの電波を拾った」と通報.
中継車が出向き,リグの前で音を拾うシーンを街頭ディスプレイに中継.
「構わず闘え」「街の人を守ってくれ」というフェニックスネスト(リュウ)からの声を聴いた市民は,GUYSに対する見方が好転.

このあと,人質となったGUYSを守るべく,帰ってきたウルトラマンが加勢.
メビウスは無事にデスレムを倒します.

公式ホームページの「Webメビナビ」(http://hicbc.com/tv/mebius/webmebinavi/index.htm) には, 「50メガヘルツ帯の電波」と明記されています.
(オンエアでは触れられていません.)


『スカイ・オブ・ラブ(愛,断了線)』のアマチュア無線登場シーン  [JJ1WTL]

『オーロラの彼方へ』の香港・台湾版といったかんじです.
皆既月食を契機に,時間を超えて――1981年と2002年――アマチュア無線で繋がってしまう物語です.

劇中のコールサインはDS1AVφです.
設定は中国なんですけどね....
流用元である韓国映画の『リメンバー・ミー』そのままのためです.
ただしもちろん,末尾は「φ」でなく「O」でした(DS1AVO).


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Jan. 5, 2013, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL